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「インフルエンザの予防について」 松山医院大分腎臓内科 副院長 有田和弘2015.11.11

インフルエンザ流行の季節が近づいてきました。
インフルエンザにかからないためにはどうすればよいのでしょうか?

予防対策の第一はワクチンの接種です。今シーズンから日本でも四価のインフルエンザワクチンが使われることになりました。「価」とはそのワクチンを使うことで何種類のウイルスに対して免疫を獲得することができるのかを意味します。これまで3価(A型2株+B型1株)であったワクチンが4価(A型2株+B型2株)になります。すなわちB型インフルエンザのワクチンを一種類追加することになり、これによって現在流行するインフルエンザのタイプをほぼ網羅することが可能になります。

インフルエンザワクチンの発症予防効果はその年の流行株に大きく左右されますが、研究班の報告では一回接種で60%前後、二回接種で80%以上の発症予防効果があるとされています。また発病しても高齢者では死亡リスクを80%程度減らすことができ、小児ではインフルエンザ脳症を防ぐことができるとされています。さらに近年はタミフルなどの抗ウイルス薬に耐性を持ったウイルスが出現していますのでこうした状況からもインフルエンザの予防接種を受けることをお勧めします。

また流行期の予防としては、外出時のマスクや帰宅後のうがい、手洗いがある程度有効です。万一インフルエンザにかかった場合は、周りの人にうつさないようにマスクをつけることが重要です。

日頃からの予防としては、他の病気にも当てはまることですが、十分な睡眠やバランスのとれた食事や運動を心掛け免疫力を高めることが大事です。

最後になりますが当院では、風邪や慢性疾患の症状に対し必要に応じて漢方薬を処方しております。風邪に限らず慢性的な症状でお困りの方は気軽に来院されてください。

■有田和弘副院長プロフィール■
大分市出身。広島大学総合科学部から大阪大学大学院医学研究科に進み公衆衛生学で学位(医学博士)を取得。その後、臨床医になるため高知医科大学に再入学。平成8年に医師免許取得後、大分に戻り大分医科大学第二内科に入局。大分医療センター、健康保険南海病院、西別府病院などを経て平成26年1月から松山医院大分腎臓内科(大分市田尻)に勤務。専門は呼吸器内科・感染症。総合内科専門医・内科認定医。日本呼吸器学会会員。

問い合わせ/松山医院大分腎臓内科(電話097-541-1151)
(2015年11月号掲載)