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「頭痛のお話~片頭痛」 おおば脳神経外科・頭痛クリニック 院長 大場寛 2015.2.2

 頭痛といえば片頭痛をおもい浮かべるほど、片頭痛は良く知られている疾患です。
また、片頭痛は多く、統計的には人口の8.4%にみられるといわれています。

 片頭痛で多いのは、前頭部のズキズキとした痛みで、片側や両側にみられます。
おおよそ4時間から3日間ほど続く頭痛ですが、じっと静かに休むこと、あるいは入眠することで痛みは軽減する傾向にあります。

 また、2割くらいの患者さんには、片頭痛の前に前兆がでることがあります。
一番多いのは目の前兆で、キラキラとした蛍光灯の様なものが出現します。
その他の前兆としては、しびれ、しゃべりにくさ、めまい、耳鳴りなどがあります。

 さて片頭痛の原因はどこにあるのでしょう?
片頭痛の際には、脳血管の拡張、皮質拡延性抑制といわれる大脳皮質神経細胞の過剰興奮、脳血管や硬膜血管に分布している痛みを感じる三叉神経終末の活性化、疼痛を制御している脳幹部の変化などがあります。
そこで、これらの変化を是正することで、片頭痛は軽減していきます。

 片頭痛が出ているときには、痛みを速やかに治すことが第一ですが、軽い頭痛であれば、一般的な鎮痛剤や薬局で購入できる市販薬で対応できます。
強い頭痛の場合には、片頭痛専用のお薬であるトリプタンの使用をお勧めします。
日本国内で販売されているトリプタンは五種類あって、すこしずつ効果が異なるため頭痛の状態に合わせてお薬を選択していきます。

 頭痛薬の使用には、一点気をつけることがあります。
お薬は使いすぎると薬物乱用頭痛といって、今度はお薬のせいで頭痛がするようになります。
お薬の使用頻度は、目安として月に10日未満がよいです。
また片頭痛のお薬には、頭痛の回数を減らし頭痛を軽くする予防薬もあります。
予防薬は毎日の内服が必要とはなりますが、頭痛がよくなればお薬を終了することもできますので、片頭痛の回数が多い場合、頭痛がとても強い場合には検討する価値があります。

 お薬のお話が多くなりましたが、バランスのとれた食事と規則正しい生活も片頭痛を遠ざけるためにはとても大切です。


■大場寛院長プロフィール■
 神奈川県横須賀市出身。神奈川県立湘南高校、大分医科大学医学部(現大分大学医学部)を卒業後、同大脳神経外科に入局。中津脳神経外科病院、大分医科大学医学部附属病院脳神経外科、山口労災病院脳神経外科、一ノ宮脳神経外科病院、アルメイダ病院脳神経外科、大分大学医学部附属病院脳神経外科助教、別府医療センター脳神経外科医長、日本大学医学部附属板橋病院脳神経外科(国内留学)永冨脳神経外科病院医長などを経て、平成26年11月、大分駅南口そばの大分市要町8番16号(工藤クリニック北側)に「おおば脳神経外科・頭痛クリニック」を新規開院した。
 医学博士。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医・指導医。日本脳神経外科コングレス、日本脳卒中学会、日本脳腫瘍の外科学会、日本定位・機能神経外科学会、日本頭痛学会、日本臨床神経生理学会、国際脳神経外科連合(WFNS)、アジア・オーストラレイシア脳神経外科学会(AASN)などに所属。41歳。
問い合わせ=電話097-578-8333
ホームページ http://oobanougeka.com



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